words

コーヒーが苦手な君に砂糖入り甘いカフェオレを出してく策略 君のこと 尊重すればするほどに その背中だけを 見る時間増す なんとなく毎日飲みたくさせていく カフェインにすら嫉妬している ひとりでしか出来ないこともあるものと ブラックコーヒー味わう時間

上塗りで 下地がどんどん 消えていく油絵みたいに 塗られてく過去

君の背中にあるくぼみ 肩甲骨に挟まれたゆるやかな 弓なりのカーブ 広い背中を抱き締めると あまりにも自然に くぼみに沿う私の頭、頬、 温かく、君の匂いがたちこめる もぞもぞと身をよじる君の肩甲骨が 翼のように柔らかく動く

お湯を沸かす ドリッパーにフィルターをいれ カップに乗せる 慣れた手つきで、変わらぬ手順で コーヒー豆をフィルターに流し入れ 慣らし 静かにお湯を注ぐ どうしてこうも儀式めいているのか 細く静かに湯気が立ち昇る コーヒーを淹れている間 しいんと静ま…

爆ぜて散る 化学反応驚いて 肌合わせながら 話せずにいる

吐き出した 息が次々落ちていき 道に積もるのを見つめてる朝

雨、雪、雨、雨、 雨、雨、雨、 雪解けに混じって流れ出て 大きく緩やかに結ばれる「区切り」 蕾がゆっくりと綻んでいく 少しずつ高くなっていく太陽 晴れ渡っていく青空を仰ぎ 僕は、 遠のいて行く影を見送る 雨、雨、 雫、

しぃんと静まった夕暮れ雪を踏むようにゆっくり歩く音もなくすれ違い、走り去っていく景色誰も私の中で息づいていないように、今、私は誰の中にも息づいていないように思う気道を広げるように空を仰ぐ右手に上がる月が、糸のように細いマンションに干された…

ペアカップ 一客だけが割れたこと それだけだったと言う朝が来る

ながい影 こころの中に伸びている 木もれ日そよ風 髪ゆらすまも

きっとやわらかい君の唇が語るむかしばなし私がいるはずもないけしきことばは すれちがい続ける君のリンゴは私のリンゴと少し違う

テーブルに こぼしたコーヒー色してる しなやかな腕 夢を見ていた